28 なぜ型稽古なのか

型稽古は退屈でダンスのようなもので実戦には役に立たないと思うかもしれませんが、型稽古は退屈なものではなく、技の上達に大変有効な稽古方法です。

型稽古と言っても、技をかけられる相手が型どおりに負けてくれる訳ではありません。逆に型の手順がわかっているので、抵抗するのは簡単です。

このような相手に対し、型どおりに技をかけ勝つことは大変難しいことです。

相手にしてみれば、どう攻めてくるのか分かってる筈が、そのままやられてしまうことになります。

スピードとか腕力とは違う技術が必要で、体捌をつかい、相手の芯をとり、柔らかい力で思い通り相手を操り、逆関節をとって崩して倒す。そういった一連の動きを型稽古で体に染み込ませます。

型を体に染み込ませることにより、実戦では頭で考えずに体が自然に動き、型をもとに変則な動きにも対応ができるようになります。

型稽古でも勝ち負けは分かります。技がうまくかかれば勝ちで、かからなければ負けです。

相手がどう抵抗してきても型どおりに技をかけて勝つよう稽古します。

また、型稽古では技をかけられる相手は、どのように技をかけてくるか分かっていて対処できるので、怪我せず安全に稽古ができます。

もし、何をしてくるか分からない技を突然かけられると大変です。変な方向に力を入れてお互いが怪我をしてしまいますので、安全面からも型稽古は有効な稽古方法です。