2 2本目

両者は対面で正座して相手は両手を膝の上に置きます。

相手が膝の上に置いた手を上から両手とも軽く握り、相手の意識を手に向けます。

相手の意識が手に向いたところで、左手で相手の喉に向けて当身を入れます。

喉に向けて左手でパンチを入れるのですが、このパンチは殴るように入れるのではなく、相手の膝の上で手を握っているところから最短距離で真っすぐ下から喉に向かって力を抜いてスーと入れます。

この当身が正確に入ると、相手はのけ反ります。相手をのけ反らすように当身を入れます。

当身の目的は殴って相手を倒すことではなく相手をのけ反らせることですので、見えないところから喉に向け相手が手で払う余裕もないように当身を入れます。

見えないところから当身を入れるには、拳を相手の正中線に沿って下から喉に向かって力を抜いてスーと入れます。

拳を下から正中線に沿って相手の喉に向かって入れることで相手の盲点から拳が入り、また、正中線に沿っていることで相手は避けることができません。

拳に力を入れると相手は何かをされるのではないかと本能的に拳が気になりますが、拳に力が入っていないとそこに気が行かないので拳が見えなくなります。

最短距離で喉に入れますが、これは払われる前に喉に入れるためで、相手を殴ろうと拳を一端後ろに引くと最短距離ではなくなるので、掴んでいるところから真っすぐに動き出します。

肘を延ばし相手の正中線に向けて体全体で拳を押すように当身を入れます。

次に、相手の左手を上から握っている右手で相手の左手の親指以外の4本の指をまとめて握り、内回りに回転させながら顔の前まで持ち上げ相手の手首をきめます。手首のきめ方は、手首を固定するだけの力を入れ相手の肘に自分の右肘を合わせ、顎を引くと背筋が伸びる力で相手の4本の指を手首が上に押し上がるように前に押し、相手の手首と肘、肩の関節を痛めつけます。

しっかり相手の関節を痛めつけてから、相手をのけ反らせ抵抗できないように右手の指を相手の目を指すように開き、右手首の下を相手の前腕の内側に当て、当てた所を支点として肘を上げることで指先が下がる動きを利用しながら腕を軽く外側に開くように捻って相手の手首を掴みます。手で掴みにいくのではなく肘の動きを利用して掴むようにします。

相手の左肘を下から受けるように持っている左手を回して持ち替え相手の肘を起こし、両手で相手の腕を縦に円を描くように上向きに回転させ畳み、腕の力ではなく歩くように足を左、右と進め体全体の力で相手を仰向けに倒します。

一気に倒すのではなくゆっくりと相手の腕を支えるくらいの気持ちで倒すと、相手は腕がしっかり畳まれた状態で後ろに倒れます。

左膝を相手の肋骨の上に当て動けないようしてから、相手の肘を左手で下に押し付け、右手で相手の手首を右にゆっくり引っ張り出します。

左膝を強く押し付けすぎると肋骨が折れるので、稽古では軽く押さえるようにします。